バンタム級で連勝狙う朝倉海 地元中国のアオリ・チロンと上海で激突【UFCファイトナイト上海】

現地時間2026年8月29日、中国・上海のオリエンタル・スポーツ・センターで「UFCファイトナイト:ヌルマゴメドフ vs ソン」が開催される。
メインカードのバンタム級では、アオリ・チロンと朝倉海が対戦する。
両者は約3カ月前のUFCマカオにもそろって出場した。
朝倉はキャメロン・スモザーマンを1R1分50秒でKOし、UFC3戦目で待望の初勝利。
一方のアオリ・チロンはコーディ・ハドンに2R2分11秒TKOで敗れた。
同じ中国で行われた大会から約3カ月。
バンタム級で再スタートを切った朝倉が連勝を狙う一方、アオリ・チロンにとっては母国で再起を懸ける一戦となる。
「ベテランの強打者」と「復調した日本のフィニッシャー」による、激しい展開が期待されるカードとして紹介されている。
UFC11戦目のアオリ・チロン 21秒KOの一撃を持つ
33歳のアオリ・チロンは中国・内モンゴル自治区出身。
プロ戦績26勝13敗で、9KO、1一本を記録している。
散打をバックボーンに持ち、2009年に競技を始め、2013年からMMAへ転向。
2021年にUFCへ参戦すると、フライ級で2試合を経験した後にバンタム級へ戻り、同階級では4勝3敗1ノーコンテストとしている。
最大の魅力は、前に出ながら打ち合える攻撃性だ。
その破壊力を改めて示したのが2025年10月のコーディ・ギブソン戦。
試合開始直後、ギブソンのローキックに右ストレートを合わせてダウンを奪うと、そのまま追撃してわずか21秒でTKO勝利を収めた。
この21秒決着は、アオリ・チロンの爆発力を象徴する高速フィニッシュとなった。
ただし、打ち合いを好むスタイルにはリスクもある。
UFCでの有効打は1分あたり4.40発を当てる一方、被弾は5.66発。
ストライキングディフェンスは47%で、自ら攻撃する代わりに相手の打撃を受ける場面も少なくない。
前戦となった5月30日のUFCマカオではコーディ・ハドンと対戦。
積極的に打撃戦を仕掛けたものの、2Rに肝臓へのヒザを受けて倒れ、そのまま2分11秒TKO負けを喫した。
今回は約3カ月での再起戦となる。

バンタム級転向で復活 朝倉海はUFC初勝利から連勝狙う
対する朝倉は32歳。
プロ戦績22勝6敗で、14KO、3一本。
22勝のうち17勝をフィニッシュしており、13度の1R決着を記録している。
RIZINではバンタム級のトップのスター選手として活躍し、2度の王座獲得を経験。
堀口恭司、マネル・ケイプら世界クラスの選手とも戦ってきた。
2024年12月のUFC 310では、UFCデビュー戦ながらアレシャンドレ・パントージャが保持していたフライ級王座に挑戦。
しかし2Rにリアネイキドチョークで一本負けを喫した。
続くティム・エリオット戦でも一本負けとなり、UFC参戦から2連敗。
大きな期待を背負って参戦したものの、フライ級では白星を手にできなかった。
転機となったのがバンタム級への階級変更だった。
5月30日のUFCマカオでキャメロン・スモザーマンと対戦すると、バンタム級転向初戦で持ち味のスピードと爆発力を発揮。
1R1分50秒、打撃でスモザーマンを仕留め、UFC初勝利をKOで飾った。
フライ級では試合間隔が空いていた朝倉だが、今回は前戦から約3カ月で再出場する。
本人もUFC公式のインタビューで、フライ級時代には厳しい減量からの回復もあり、短期間で次戦を組むことが難しかったと振り返っている。
バンタム級へ階級を戻したことで、より短い間隔で試合に臨める状態になったことを明かした。
アオリ・チロンについては「前回の相手と似たタイプのストライカー」と分析。
そのうえで、バンタム級で自分が最も優れたストライカーであることを証明したいと意気込んでいる。
朝倉のスピードか、アオリ・チロンの圧力か
両者とも打撃を最大の武器としており、スタンドでの攻防が大きなポイントになりそうだ。
アオリ・チロンは前へ出ながらパンチを振り、相手を打ち合いへ巻き込むタイプ。
ギブソンを21秒で仕留めたように、序盤から一発で流れを変えられるパンチ力を持っている。
朝倉も14度のKO勝利を記録するフィニッシャーで、バンタム級復帰初戦ではスモザーマンを2分以内に仕留めた。
体格面では大きな差はない。
アオリ・チロンは身長約170cm、朝倉は約173cmで、リーチはいずれも69インチ(約175cm)。
単純なリーチ差よりも、どちらが自分の距離で先に強打を当てるかが重要になりそうだ。
アオリ・チロンは積極的な打撃戦を仕掛ける反面、UFCでは被弾も多い。
そこはスピードとカウンターで仕留める力を持つ朝倉にとって狙い目になり得る。
一方で、朝倉にとってもアオリ・チロンの前進と強打は油断できない。
序盤から打ち合いに付き合えば、21秒KOを持つ中国人ストライカーの一発を受ける危険もある。
UFC参戦後、苦しんだフライ級を離れて本来のバンタム級で復活した朝倉。
上海でも連勝を飾り、世界最高峰の135ポンド戦線で存在感を高められるか。
それともアオリ・チロンが母国の声援を背に、持ち前の強打で日本の元RIZIN王者を止めるのか。
フィニッシャー同士による、メインカードでも特にKO決着への期待が高い大注目の一戦となる。
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