UFC公式スタッツで読むウマル・ヌルマゴメドフvsソン・ヤドン 鍵はテイクダウン攻防、5Rならウマル優位か【UFCファイトナイト上海】

現地時間2026年8月29日、中国・上海で「UFCファイトナイト:ヌルマゴメドフ vs ソン」が開催される。
メインイベントのバンタム級では、ウマル・ヌルマゴメドフとソン・ヤドンが5ラウンドで対戦する。
UFCが今大会向けにまとめたスタッツを比較すると、両者の特徴の違いは明確だ。
ソンは1分あたりの有効打数とノックダウン能力で上回る一方、ウマルは有効打命中率、被弾の少なさ、テイクダウン数で優位な数字を残している。
数字上では、スタンドでの攻撃量と一発の危険性ではソン、打撃の効率と組みのスタッツではウマルに強みがあるマッチアップと言えそうだ。
UFC公式スタッツ比較
スタッツ | ウマル・ヌルマゴメドフ | ソン・ヤドン |
|---|---|---|
有効打命中率 | 56.5% | 43.7% |
SLpM(1分あたり有効打) | 3.86 | 4.34 |
SApM(1分あたり被有効打) | 1.86 | 3.81 |
打撃防御率 | 61.2% | 55.0% |
KD平均(15分換算) | 0.12 | 0.48 |
TD成功率 | 46.6% | 41.4% |
TD平均(15分換算) | 4.03 | 0.81 |
TD防御率 | 79.4% | 73.8% |
一本狙い平均(15分換算) | 0.24 | 0.20 |
有効打収支もウマルが1分あたり+2.00、ソンが+0.53となっている。
数字を見ると、それぞれが得意とする展開が対照的であることが分かる。
ソンはSLpM4.34、ノックダウン能力が武器
スタンドで攻撃量の多さを示しているのはソンだ。
1分あたりの有効打数を示すSLpMは4.34で、ウマルの3.86を上回っている。
さらに15分換算のノックダウン平均は0.48。
ウマルは0.12となっており、相手を倒す打撃という点でもソンが高い数字を残している。
ソンはUFCでこれまでに7度のノックダウンを奪い、自身は一度もノックダウンを喫していない。
バンタム級では5度のKO/TKO勝利を記録しており、フィニッシュにつながる打撃を持っている。
ソンの強みはボクシング、パワー、グラウンド&パウンドが挙げられている。
ウマルにとって、ソンと中間距離で長時間打撃戦を続ける展開は警戒が必要になる。
一方、ソンの1分あたりに非有効打数を示すSApMは3.81で、ウマルの1.86よりも高い。
より多くの有効打を放つ一方、自身も相手の攻撃を受ける機会が多いことが数字に表れている。
ウマルは15分平均4.03テイクダウン
組みのスタッツではウマルが大きく上回っている。
15分あたりのTD平均は4.03回。
ソンの0.81回を大幅に上回る。
TD成功率もウマルが46.6%、ソンが41.4%となっており、試合をグラウンドへ移す頻度では明確な差がある。
ウマルはUFCバンタム級で33回のテイクダウンを成功させており、同階級史上3位タイ。
さらにトップポジション率34.7%は現役バンタム級で2位となっている。
実際に試合時間のポジションを見ると、ウマルはトップポジションで34%を過ごしているのに対し、ソンは11%。
逆にスタンドで過ごす割合はウマル64.5%、ソン83%となっている。
単発のテイクダウンだけではなく、倒した後にトップを維持し、相手が攻撃できる時間を削る能力がウマルの大きな強みと言える。
ソンのTD防御率73.8%も見逃せない
ただし、組みの数字だけでウマルが一方的に有利とは言い切れない。
ソンのTD防御率は73.8%。
ウマルの79.4%には及ばないものの、UFC平均の62.6%を上回る数字を残している。
そのため注目したいのは、ウマルが一度テイクダウンを奪えるかどうかだけではなく、ケージ際を含めてどれだけ継続的に組みの攻防を作れるかだ。
ソンがテイクダウンを防ぎ、中央での打撃戦に戻すことができれば、SLpM4.34とノックダウン能力を生かしやすくなる。
反対にウマルが何度も組み直し、ケージ際でソンを拘束する時間が長くなれば、ソンが得意とする打撃を出せる時間そのものが減っていく。
打撃の効率ではウマルが上回る
打撃でもウマルが単純に劣っているわけではない。
有効打命中率はウマルが56.5%、ソンが43.7%。
さらにSApMはウマルが1.86なのに対し、ソンは3.81となっている。
打撃防御率もウマルの61.2%に対してソンは55.0%。
有効打収支ではウマルが+2.00、ソンが+0.53となっている。
つまりソンはより多くの有効打を放ち、ノックダウンにつながる攻撃力を持つ一方、ウマルは高い命中率を維持しながら自身の被弾を抑えている。
組みを大きな武器とするウマルだが、スタンドでも「当てて、もらわない」という効率の高さを残している点は見逃せない。
グラウンドでの攻撃割合にも大きな差
有効打を放ったポジションにも両者のスタイルの違いが表れている。
ウマルの有効打は、
- 遠距離:67.3%
- クリンチ:5.9%
- グラウンド:26.8%
ソンは、
- 遠距離:86.0%
- クリンチ:5.9%
- グラウンド:8.1%
となっている。
ソンが明確にスタンド中心なのに対し、ウマルは4分の1以上の有効打をグラウンドから記録している。
ウマルはテイクダウンを奪うだけでなく、トップポジションから有効打を重ねられる。
ソンとしては倒された後に立ち上がることはもちろん、できるだけ組みに入らせず、スタンドで戦う時間を長く確保したい。
共通の相手サンドヘイゲン戦でも違い
両者はコーリー・サンドヘイゲンとも対戦している。
ウマルは2024年8月のサンドヘイゲン戦で5ラウンドを戦い、
- 有効打:98対71
- TD:5回成功/13回試行
- コントロールタイム:5分11秒
を記録して判定勝ちした。
一方、ソンは2022年9月のサンドヘイゲン戦で、
- 有効打:54対94
- TD:2回成功/2回試行
- コントロールタイム:1分39秒
を記録したものの、第4ラウンド終了時にカットによるTKO負けを喫している。
もちろん、共通の対戦相手との結果だけで今回の勝敗を判断することはできない。
それでもウマルがサンドヘイゲンを相手に5ラウンドを通して打撃とテイクダウンを組み合わせ、試合を組み立てた実績は、今回のメインイベントを考えるうえでも興味深いデータだ。
ソンが打撃を生かせる時間を作れるか
ソンは攻撃量とノックダウン能力で上回り、ウマルはテイクダウンを軸とした組みと打撃の効率で高い数字を残している。
ただし、ウマルは単純にテイクダウンだけに依存しているわけではない。
有効打命中率56.5%、打撃防御率61.2%を記録しており、組みへの警戒を相手に強いることがスタンドでの攻防にもつながっている。
一方のソンもTD防御率73.8%を記録しているため、ウマルが簡単に自分の展開へ持ち込めるとは限らない。
そのため試合の焦点は、単純な「打撃対レスリング」ではなく、ソンがウマルの組みを切り、得意な打撃を使える時間をどこまで確保できるかにある。
ウマルがケージ際で組み続け、テイクダウンからトップポジションを取れば、ソンの攻撃機会は減っていく。
逆にソンがTDを防いで中央へ戻る場面を増やせれば、SLpM4.34とノックダウン能力という自身の強みを生かしやすくなる。
両者の強みが互いにどこまで通用するのか。
その攻防が5ラウンドのメインイベントを左右しそうだ。
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