UFCシャラ・マゴメドフ vs 元Bellator王座挑戦者ネイマン・グレイシー 両者RAFデビューで異色対決【RAF Moscow】

現地時間2026年9月5日、ロシア・モスクワのVTB Arenaで開催される「RAF Moscow:Chimaev vs. Woodley」で、シャラ・マゴメドフとネイマン・グレイシーがクルーザー級で対戦する。
UFCミドル級で活躍する「シャラ・ブレット」ことマゴメドフと、Bellatorで世界王座に挑戦したグレイシー一族のネイマン。
ともに今回がReal American Freestyle(RAF)初出場となる。
MMAでは対照的な武器を持つ2人だが、今回行われるのはMMAでもサブミッション・グラップリングでもなく、RAFルールによるフリースタイルレスリング。
世界有数のストライカーとして知られるマゴメドフと、ブラジリアン柔術を武器にMMAのトップレベルで戦ってきたグレイシーが、レスリングという別競技でどのような戦いを見せるのか注目される。
MMA17勝1敗 UFCのシャラ・ブレットがRAF初参戦
32歳のマゴメドフはロシア・ダゲスタン出身のUFCミドル級ファイター。
独特の構えから繰り出す多彩な蹴り技を最大の武器とし、プロMMAでは17勝1敗。
17勝のうち12勝をKO・TKOで挙げている。
2023年にUFCへ参戦すると、ブルーノ・シウバ(Bruno Silva)、アントニオ・トロコリ(Antonio Trocoli)、ミハル・オレクシェイチュク、アルメン・ペトロシアン(Armen Petrosyan)らに勝利。
ペトロシアン戦では試合終了間際、左右の回転系バックフィストを連続でヒットさせる珍しいKOを記録し、一躍UFCでも屈指の個性派ストライカーとして名前を広めた。
2025年2月にはマイケル・ペイジに判定で敗れ、プロMMA初黒星を喫したものの、その後はマルク・アンドレ・ベリオー(Marc-André Barriault)、ミシェル・ペレイラに連勝。
直近となる2026年6月27日のペレイラ戦も判定3-0で制し、UFC戦績を6勝1敗としている。
一方、今回が初めての組み技競技への挑戦というわけではない。
マゴメドフはHype FCでアルマン・ツァルキャンやエドソン・バハボーザとのサブミッションオンリー・グラップリングマッチも経験しており、いずれも引き分けている。
バハボーザ戦はフル映像が公開されており、打撃を封印された状態でマゴメドフがどのように戦うのかを確認できる。
UFC公式スタッツでは、マゴメドフの15分あたりの平均テイクダウン成功数は0.00。
これまでのMMAでは自ら積極的にレスリングを仕掛けるタイプではなく、打撃を最大限に生かすスタイルを貫いてきた。
その一方でテイクダウンディフェンスは73%を記録しており、MMAでは一定の組みへの対応力を見せている。
ただし、MMAでは打撃やケージを使った攻防も含まれるため、この数字が打撃もケージもないフリースタイルレスリングにそのまま当てはまるわけではない。
打撃という最大の武器を使用できないRAFで、どこまで純粋なレスリング能力を発揮できるかが大きなポイントとなる。
グレイシー一族のネイマン Bellator世界王座にも挑戦
対する37歳のネイマン・グレイシーは、ブラジリアン柔術の歴史を築いたグレイシー一族の一員。
カーロス・グレイシー(Carlos Gracie)のひ孫にあたり、ヘンゾ・グレイシー(Renzo Gracie)の下でブラジリアン柔術黒帯を取得している。
MMAでも柔術を最大の武器としてキャリアを築き、Bellatorではウェルター級のトップ選手として活躍した。
2018年のBellator 213では、NCAAディビジョン1を3度制したレスリングエリートのエド・ルース(Ed Ruth)と対戦。
ルースのレスリングを相手に粘り強くグラウンド戦を続けると、4Rにバックを奪ってリアネイキドチョークで一本勝ち。
この勝利でBellatorウェルター級ワールドグランプリ準決勝へ進み、王者ローリー・マクドナルド(Rory MacDonald)とのタイトルマッチが決定した。
翌2019年にはBellatorウェルター級世界王者マクドナルドに挑戦。
世界王座戦とワールドグランプリ準決勝を兼ねた一戦で5ラウンドを戦い抜いた末に判定で敗れ、王座獲得こそならなかったものの、グレイシー一族の中でも現代MMAのトップレベルで実績を残した選手の一人となった。
その後はPFLにも参戦。
プロMMA戦績は13勝6敗で、直近では2024年PFLウェルター級トーナメント準決勝でマゴメド・ウマラトフに判定で敗れている。
柔術家グレイシーにとっても「別競技」
組み技の実績だけを比較すればグレイシーが有利にも見えるが、今回の競技がフリースタイルレスリングである点は重要だ。
グレイシーがMMAで最大の武器としてきたリアネイキドチョークや腕十字などのサブミッションは使用できない。
柔術では自ら背中をマットにつけてガードから攻めることも戦術になるが、RAFでは相手の背中をマット側へ露出させることでポイントが入り、両肩をマットに固定すればフォールで試合が終了する。
そのため、柔術とはポジションの価値そのものが大きく異なる。
「ストライカー対柔術家」というMMAでの肩書きだけでは、今回の有利不利を単純には判断できない。
当初のシュレメンコ戦からグレイシー戦へ変更
マゴメドフは当初、元Bellatorミドル級王者アレキサンダー・シュレメンコとRAF Moscowで対戦する予定だった。
しかしカードは変更され、代わってネイマン・グレイシーとの対戦が決定した。
ともに打撃を主武器とするMMAファイター同士のレスリング対決から、UFC屈指のストライカーとグレイシー柔術という、さらに異色の組み合わせへ変更された形だ。
両者とも今回がRAFデビュー。
大会にはハムザト・チマエフvs タイロン・ウッドリーをはじめ、カイル・スナイダー、カイル・デイク、ジョーダン・バローズ、ボー・ニッカルら世界トップクラスのレスリング実績を持つ選手が多数出場する。
その中でマゴメドフ vs グレイシーは、MMAファンにとって特に入りやすい注目カードの一つとなる。
両者のRAFデビュー戦は、9月5日のRAF Moscowで行われる。
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