元UFC王者チマエフとウッドリーがフリースタイルレスリングで初対決 MMAでは実現しなかった夢の一戦【RAF Moscow】

現地時間2026年9月5日、ロシア・モスクワ近郊のArena Mytishchiで開催される「RAF Moscow:Chimaev vs. Woodley」のメインイベントで、元UFCミドル級王者ハムザト・チマエフと元UFCウェルター級王者タイロン・ウッドリーがキャッチウェイトのフリースタイルレスリングで対戦する。
MMAでは実現しなかった元UFC王者同士の対決が、両者のキャリアの原点でもあるレスリングマットで実現する。
Real American Freestyle(RAF)もこの一戦を「Dream Supermatch」として大きく取り上げており、チマエフの圧力と連続攻撃に対し、ウッドリーの距離管理と本格的なカレッジレスリングの技術がどこまで通用するかが最大の焦点となる。
なお、大会は当初モスクワのVTB Arenaで予定されていたが、開催直前にArena Mytishchiへの会場変更がRAFから発表されている。
チマエフはスウェーデンのフリースタイルレスリング王者 RAF初戦は44秒で決着
チマエフはMMAで世界的なスターになる以前からレスリングをバックボーンとしており、スウェーデンではフリースタイルレスリングの国内王者に3度輝いた実績を持つ。
MMAでもそのスタイルは一貫している。
開始直後から距離を詰め、相手に考える時間を与えずに組みつき、一度タックルを切られてもシングルレッグなどへ切り替えて攻撃を継続。
相手を後退させながらポジションを奪っていく圧力型のレスリングが最大の武器だ。
2026年6月「RAF 10」では、ブラジリアン柔術の実力者ディロン・ダニスを相手にRAFデビュー。
開始から主導権を握ると、わずか44秒でフォール勝ち。
RAF史上最速のフォールを記録し、初戦から圧倒的な存在感を示した。
MMAではUFCミドル級王座を獲得したものの、2026年5月にショーン・ストリックランドに敗れて王座から陥落。
その後はRAFにも参戦しており、今回が2度目のRAFマットとなる。
ウッドリーはNCAAオールアメリカン2度 RAF初戦で8点差から逆転
対するウッドリーは、MMAファンには強烈な右と爆発的なタックルを武器にUFCウェルター級を制した王者として知られているが、そのレスリングキャリアは本格的だ。
ミズーリ大学では165ポンド級でNCAAディビジョン1の舞台に立ち、2003年と2005年に2度のオールアメリカンに選出。
2003年にはBig 12王者にも輝いている。
大学在籍中の通算勝利数は110勝。
NCAAディビジョン1という米国大学レスリング最高峰の舞台で積んだ実績では、ウッドリーにはチマエフとは異なる豊富な経験がある。
そして44歳となった現在も、その技術が健在であることを直近のRAFで証明した。
2026年8月22日の「RAF 12」でホアキン・バックリーと対戦すると、第1ピリオドでは1-8と大量リードを許す苦しい展開に。
しかし第2ピリオドから場外ポイントやグラウンドで得点を重ねて反撃し、最後は14-8までひっくり返して逆転勝利を収めた。
RAFデビュー戦でいきなり見せた13ポイント連続奪取の逆転劇は、長期間レスリング競技から離れていたウッドリーが、現在も高いレスリングIQを持っていることを示す内容だった。
チマエフの圧力か、ウッドリーの距離管理か
今回のポイントは、似たバックボーンを持ちながらも異なる両者のレスリングスタイルにある。
チマエフは相手を後退させながら連続してタックルを仕掛けるタイプだ。
最初のアタックを防がれても攻撃を止めず、ダブルレッグからシングルレッグ、さらに別の角度から再びタックルへ入るなど、相手が守勢に回った瞬間から一気に試合を支配する。
一方のウッドリーは、距離を保ちながら相手の動きを見て、爆発的なアタックを仕掛けるスタイルを得意としてきた。
ウッドリーが勝つためにはチマエフを前進させ続けないことが重要だ。
チマエフの最初のタックルを防ぐだけでは足りない。
そこから続く2度目、3度目の攻撃を止め、逆にチマエフを後退させる展開を作れるかがウッドリーにとって大きな鍵となる。
さらにMMAではミドル級王者となったチマエフと、ウェルター級を主戦場としてきたウッドリーでは体格差もある。
技術と経験を持つウッドリーが、より若くサイズにも勝るチマエフのフィジカルと圧力をどう封じるのか。
MMAでは交わらなかった元UFC王者2人がレスリングで対決
チマエフとウッドリーはいずれも、レスリングを土台としてUFCの頂点まで上り詰めたファイターだ。
UFCでの在籍時期は一部重なり、ともにウェルター級で戦った時期もあったが、MMAで両者が直接対決することはなかった。
その2人が2026年、MMAではなくフリースタイルレスリングで初めて直接対決する。
チマエフにとっては、RAF初戦の圧勝に続き、NCAAディビジョン1で豊富な実績を持つ元UFC王者を相手に自身のレスリング能力を証明する機会。
ウッドリーにとっては、RAF 12で見せた大逆転に続き、現在でも世界トップクラスのMMAレスラーと渡り合えることを示す一戦となる。
「Dream Supermatch」と銘打った、圧力のチマエフと経験のウッドリー。
RAF Moscowのメインイベントで、MMAでは実現しなかった元UFC王者同士の勝負がレスリングマットの上で決着する。
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