ジョー・ローガンがUFCの勝利ボーナス制を批判 ファイター報酬の仕組みに疑問

UFCの解説者として長年活動するジョー・ローガン(Joe Rogan)が、UFCで多くの選手に採用されている「Show Money+Win Bonus」の報酬方式に改めて疑問を呈した。
ローガンは現地時間2026年8月11日に公開された自身のポッドキャスト「JRE MMA Show #184」で、元UFCバンタム級王者アルジャメイン・スターリングと対談。
その中でUFC選手の報酬について話題が及び、勝敗によってファイトマネーが大きく変わる現在の仕組みを批判した。
「UFCで最も納得できない部分」
UFCでは多くの選手が、試合に出場することで受け取る「Show Money」と、勝利した場合に追加される「Win Bonus」を組み合わせた契約を結んでいる。
例えばShow Moneyが2万ドル、Win Bonusが2万ドルという契約であれば、敗れた場合は2万ドル、勝利すれば合計4万ドルを受け取る形となる。
もちろん全選手が同じ契約ではなく、王者や実績のある選手などには異なる報酬体系が採用される場合もあるが、UFCではShow MoneyとWin Bonusを組み合わせた方式が広く使われている。
ローガンはこの仕組みについて「That is the most bullshit part of the UFC」と強い言葉で批判。
選手は勝利した場合に初めて、契約上設定されたShow MoneyとWin Bonusの両方を受け取れることになり、その方式には納得できないという考えを示した。
判定ひとつで報酬が大きく変わる
ローガンが特に問題視しているのが、試合結果には選手自身で完全にはコントロールできない要素が存在することだ。
MMAでは僅差の試合が判定に持ち込まれることも珍しくなく、最終的にはジャッジの採点によって勝敗が決まる。
それにもかかわらず、勝敗によって選手が受け取る報酬に大きな差が生まれる。
ローガンは、仮にジャッジが毎回完璧な判定を下すのであれば勝利ボーナスを支持する余地があるかもしれないとしながらも、それでもこの制度には賛成できないとの立場を示した。
トップレベルの選手は勝利ボーナスがあるから全力で戦うわけではなく、最初から可能な限り勝つために戦っているというのがローガンの考えだ。
選手と家族の生活まで試合結果に左右される
さらにローガンは、単なる試合の勝敗だけではなく、選手の生活そのものに与える影響にも言及した。
プロのMMAファイターは一つの試合に向けて数カ月間のトレーニングキャンプを行い、身体へのダメージや減量などを経てオクタゴンに上がる。
しかし僅差の判定で敗れれば、勝者とほぼ同じ準備とリスクを負っていても、契約によっては受け取れるファイトマネーに大きな差が出る。
ローガンは、選手のキャリアや将来、さらには家族を養うための収入まで、時に間違いを犯す可能性がある第三者の判断に大きく左右されることを問題視した。
高いレベルの試合が必ずしも派手になるとは限らない
ローガンは試合内容についても触れている。
ファンやプロモーターが激しい打ち合いやフィニッシュを期待するのは当然だとしながらも、実力の高い選手同士が対戦した場合、互いの長所を消し合うことで慎重な試合になることもあると指摘した。
つまり、試合が派手にならなかったり判定までもつれたりしたことだけを理由に、選手側が経済的なリスクまで背負うべきではないという考えだ。
ローガンは勝利ボーナスによって選手をさらに努力させる必要はなく、最初からより高い金額を保証報酬として支払う方式を支持している。
UFCの「大会後ボーナス」とは別の問題
今回ローガンが批判している「Win Bonus」は、UFCが好試合やフィニッシュを記録した選手に与える大会後のボーナスとは異なる。
UFCは2026年から「Performance of the Night」と「Fight of the Night」の受賞者へのボーナスを従来の5万ドルから10万ドルへ増額。
さらに、それらに選出されなかった選手についても、フィニッシュ勝利を収めた場合には2万5000ドルの追加ボーナスが支給される。
これらは試合後に追加される報奨金であり、ローガンが今回問題視したのは選手の基本的な契約に組み込まれている「試合に出場して受け取る金額」と「勝利した場合に追加される金額」を分ける仕組みだ。
UFCの顔の一人として長年解説席に座ってきたローガンだが、ファイター報酬については以前から勝敗によって基本報酬が大きく変動する方式に否定的な立場を取っている。
今回もその姿勢を改めて明確にし、勝敗にかかわらず選手がより多くの保証報酬を受け取るべきだとの考えを示した。
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