PFLはウスマン・ヌルマゴメドフを引き留められた? マネージャーが契約延長交渉の舞台裏を明かす

PFLライト級世界王者ウスマン・ヌルマゴメドフ(Usman Nurmagomedov)がフリーエージェントとなった背景について、マネージャーのアリ・アブデルアジズ(Ali Abdelaziz)が契約交渉の舞台裏を明かした。
ヌルマゴメドフは現地時間7月31日に開催された「PFL New York」で、当時無敗だったアーチー・コルガン(Archie Colgan)と対戦。
第1ラウンド3分42秒、打撃によるTKO勝ちを収め、PFLライト級王座の防衛に成功した。
この試合が現在のPFL契約における最後の一戦だったため、ヌルマゴメドフは22勝0敗1無効試合の戦績を維持したまま契約を満了した。
PFLは試合前に条件を提示されていた
アブデルアジズはMMA Junkieの取材に対し、PFLにはコルガン戦の前にヌルマゴメドフとの契約を延長する機会があったと説明した。
アブデルアジズによると、ヌルマゴメドフとの契約を延長するための金額をPFL側へ提示していたという。
「自分では適正だと思う金額を提示したが、彼らは受け入れなかった」
具体的な金額は明らかにしていない。
アブデルアジズはPFLや幹部を批判するのではなく、選手へ多くの機会を与えてきた団体だと評価。
そのうえで、ヌルマゴメドフが新契約を結ばずに最終戦へ臨んだことについて、「彼は自分自身に賭けた」と話した。
コルガン戦で敗れていれば、無敗記録と王座を失い、交渉条件が悪化する可能性もあった。
しかし、ヌルマゴメドフは無敗の挑戦者を第1ラウンドで仕留め、交渉上の立場をさらに強めた状態で契約を満了した。
PFLが引き留められなかったとは限らない
今回の発言だけを見ると、PFLがヌルマゴメドフとの契約延長を見送ったようにも映る。
ただし、アブデルアジズが提示した金額は公表されておらず、PFL側も交渉内容について説明していない。
そのため、PFLが提示額を高すぎると判断したのか、試合結果を見てから交渉する方針だったのかは分からない。
また、ヌルマゴメドフは契約を満了したものの、直ちにすべての団体と自由に交渉できるわけではない。
アブデルアジズによれば、PFLには今後90日間の独占交渉期間が残されている。
この期間中はPFLとの独占交渉となり、ヌルマゴメドフ陣営は他団体との交渉を始めることができない。
つまり、PFLは完全に交渉から撤退したわけではなく、現在も王者を残留させる機会を持っている。
試合前より交渉額が上がる可能性
PFLにとって誤算があるとすれば、試合前に契約をまとめなかったことで、ヌルマゴメドフ側の交渉力がさらに強くなったことだろう。
ヌルマゴメドフはコルガンを破ったことで、戦績を22勝0敗1無効試合に伸ばした。
PFLライト級王座も保持し、対戦相手も無敗のまま迎えたタイトル挑戦者だった。
試合前にアブデルアジズが提示した金額と、勝利後に求める条件が同じとは限らない。
ヌルマゴメドフ陣営が以前より高い条件を求めたとしても不思議ではない状況となった。
一方、PFL側には独占交渉期間が残されているため、この90日間で新たな条件を提示し、契約をまとめることもできる。
UFC移籍が決まったわけではない
ヌルマゴメドフの契約満了後は、UFC移籍の可能性が取り沙汰されている。
しかし、アブデルアジズは、現時点でヌルマゴメドフのUFC移籍が決まっているわけではないと強調した。
今後の決定にはヌルマゴメドフ本人だけでなく、チームを率いるハビブ・ヌルマゴメドフ(Khabib Nurmagomedov)の判断も関係するという。
PFLは大会前日の7月30日、ジェイク・ポール(Jake Paul)らが率いるMost Valuable Promotionsとの統合を発表したばかり。
新体制が選手第一の方針と公平な報酬を掲げるなかで、無敗のライト級王者を引き留められるかは、その方針の実効性を測る大きな交渉となる。
ヌルマゴメドフは試合前に契約を延長せず、自らリスクを負ってコルガン戦へ臨んだ。
そして結果を残したことで、PFLに残留する場合でも、他団体へ移る場合でも、より有利な立場で将来を選べる状況を作り出した。
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