TUF34 第1・2話まとめ コーミエ軍が2連勝、ビスピン軍は苦しい開幕に

UFC契約をかけたリアリティ番組「The Ultimate Fighter」のシーズン34が開幕した。
今シーズンは「Team Cormier vs Team Bisping」として、元UFC二階級王者ダニエル・コーミエと、元UFCミドル級王者マイケル・ビスピンがコーチを務める。
階級は男子バンタム級と女子ストロー級。
選手たちはチームに分かれ、共同生活を送りながらトーナメントを戦い、UFC契約を目指す。
UFCの通常大会だけを追っているファンにとっても、TUF34は次世代のUFC候補を早い段階でチェックできる番組になる。
試合だけでなく、練習、減量、チーム内の空気、選手同士の衝突まで描かれるため、単なるトーナメントとは違う見方ができる。
第1話と第2話では、番組序盤からTUFらしい緊張感が出た。
今回は候補者20人全員がトーナメントに進めるわけではなく、トライアウト後に16人へ絞られる形式。
さらに、選手同士の衝突や、初戦から上位指名選手が敗れる波乱もあり、シーズンの立ち上がりとしては十分に見どころの多い内容になった。
20人から16人へ 最初から始まったサバイバル
第1話では、まずコーミエとビスピンが候補選手たちをチェックし、トーナメントに進むメンバーを選んでいった。
男子バンタム級、女子ストロー級ともに各階級10人ずつ、計20人が招集されていたが、トーナメントと共同生活に進めるのは各階級8人ずつ。
つまり、選手たちはTUFに呼ばれた時点で出場が保証されていたわけではない。
入居前の段階から選考が始まり、4人がカットされる厳しいスタートとなった。
カットされたのは以下の4人だ。
ロドリゴ・ベラ(Rodrigo Vera)
アブドゥル・フセイン(Abdul Hussein)
ハイライ・ウシャモ(Hailai Wushamo)
カミラ・レイノソ(Camila Reynoso)
ビスピンはコイントスに勝ち、最初に選手を指名する権利を選んだ。
男子バンタム級ではザビエル・フランクリン(Xavier Franklin)を全体1位で指名し、女子ストロー級ではアンナ・メリサーノ(Anna Melisano)を最初に選んだ。
対するコーミエは、男子バンタム級でアルテム・ベラク、女子ストロー級でティナ・ブラックを指名。
最終的に、Team Bispingには以下の8人が入った。
ザビエル・フランクリン
メヘメデリ・オスマンリ(Mehemmedeli Osmanli)
イリムベク・アキルベク・ウールー(Ilimbek Akylbek Uulu)
マーロン・ジョーンズ
アンナ・メリサーノ
ジジ・カヌート(Gigi Canuto)
マッケンジー・スティラー(Mackenzie Stiller)
ナタリア・アルヴェス(Natália Alves)
一方のTeam Cormierは、以下の8人という構成になった。
アルテム・ベラク
ミカイアス・ウレーニャ(Micaias Ureña)
ショーン・モラ
クリスチャン・ストロング(Christian Strong)
ティナ・ブラック
デルフィーヌ・ブヌアイシュ(Delphine Benouaich)
メリッサ・アマヤ
アニタ・カリム
ショーン・モラとイリムベクが衝突 火種を残した第1話
第1話で特に印象的だったのは、ショーン・モラとイリムベク・アキルベク・ウールーの接触だ。
トライアウト中のレスリングの流れで両者の頭が激しく接触し、その後モラがパンチを出してイリムベクが目の上をカットする場面があった。
モラは一時的に番組から外される可能性もあったが、最終的には両者とも選ばれている。
このやり取りは、単なる番組上の揉め事というより、今後の対戦カードに発展しそうな火種として描かれた。
Team Cormierのアシスタントコーチからは、モラとイリムベクを当てるべきだという声もあったが、コーミエはこの案を採用せず、別のカードを選択した。
TUFは、試合だけでなく、共同生活、チームの雰囲気、コーチの判断、選手同士の距離感まで番組の一部になる。
メリッサ・アマヤが初戦で一本勝ち ビスピン軍の1位指名を撃破
シーズン最初の試合は、女子ストロー級のアンナ・メリサーノ vs メリッサ・アマヤだった。
メリサーノは、Team Bispingの女子ストロー級1位指名。
ビスピンがこの階級で最も期待していた選手と言える。
一方のアマヤは、Team Cormierの女子ストロー級3位指名。
コーミエは、自軍3位指名のアマヤをビスピン軍1位指名のメリサーノと組ませた。
試合は、アマヤにとって大きな勝利になった。
序盤からアマヤは打撃でも前に出て、メリサーノに楽な距離を作らせなかった。
アマヤはグラウンドの展開からバックを奪い、リアネイキッドチョークを極めて1ラウンド一本勝ち。
Team Cormierがシーズン最初の勝利を手にした。
この結果は、単なる1勝以上の意味を持つ。
TUFでは一度負ければ基本的にトーナメントから脱落するため、チームの期待値が高かった選手の敗退は大きい。
アマヤにとっては、UFC契約に向けて一気に存在感を示す勝利になった。
第2話はバンタム級初戦 クリスチャン・ストロングが判定勝ち
第2話では、男子バンタム級の初戦として、Team Cormierのクリスチャン・ストロングとTeam Bispingのマーロン・ジョーンズが対戦した。
このカードはコーミエが選んだものだったが、Team Cormier側のコーチ陣の意見とは少し違っていた。
チーム内では、前述のトライアウトで衝突したモラとイリムベクを戦わせる案もあった。
しかしコーミエは、その因縁をすぐに試合へつなげるのではなく、ストロング vs ジョーンズを選択した。
ジョーンズはイングランド・リバプール出身の選手で、ビスピン軍の男子バンタム級4位指名。
ビスピンは試合前、ジョーンズがストロングを圧倒すると予想していた。
しかし、試合内容はストロングのゲームプランがはっきり出たものになった。
ストロングは開始直後からタックルを仕掛け、ジョーンズをケージ際に押し込み、何度もテイクダウンを奪った。
ジョーンズは立ち上がる場面もあったが、ストロングは離れず、再び組みついてコントロール。
打撃戦に持ち込みたいジョーンズに対し、ストロングは徹底してレスリングで試合を支配した。
2ラウンドを通して大きなフィニッシュシーンはなかったものの、試合の主導権は明確にストロングにあった。
結果は判定でストロングの勝利。
Team Cormierは第1話のアマヤに続き、第2話でも勝利を収め、開幕2連勝となった。
勝ったストロングにも残る課題
ストロングの勝利は、トーナメントを勝ち進むという意味では大きい。
ほとんどダメージを受けず、相手の強みを消して勝ったからだ。
一方で、TUFという舞台では「勝ち方」も見られる。
UFC契約を目指す番組である以上、評価を高めるには、デイナ・ホワイトや視聴者に印象を残す勝ち方も重要になる。
実際にデイナ・ホワイトは、フィニッシュにつながらないレスリングは刺激的な試合にならないとして、準決勝ではより積極的な姿勢が必要だという趣旨の苦言を呈している。
ストロングはレスリングでジョーンズを封じたが、フィニッシュには届かなかった。
判定勝ちは堅実ではあるものの、TUFで一気に評価を上げるには、次戦以降でより攻撃的な姿勢を見せる必要がある。
それでも、初戦でリスクを抑えて勝ち切った点は評価できる。
トーナメントでは、派手な勝利だけでなく、次に進むこと自体が最重要だ。
ストロングは、まずは準決勝進出という結果を手にした。
ビスピン軍は0勝2敗 第1・2話時点で立て直しが必要に
第1話と第2話を終えた時点で、Team Cormierは2勝0敗。
Team Bispingは、女子ストロー級1位指名のメリサーノと男子バンタム級のジョーンズが続けてトーナメントから脱落した。
もちろん、TUFはまだ序盤だ。
チーム全体の勝敗だけでシーズンの流れが決まるわけではない。
しかし、最初の2試合で連敗したことは、ビスピンにとって明らかに痛いスタートになった。
特にTUFでは、コーチの選手起用、対戦カードの選び方、練習の強度、チームの雰囲気がそのまま結果に影響してくる。
ビスピンは現役時代から感情を前面に出すタイプのファイターだったが、コーチとしてもチームをどう立て直すかが見どころになる。
一方のコーミエは、初回から自分のチームに勢いを作った。
アマヤは一本勝ち、ストロングはレスリングで封じる判定勝ち。
勝ち方は違うが、どちらも相手の強みを出させない内容だった。
UFC本大会前に見ておきたい若手の入口
UFCの通常大会で名前を聞く前に、選手のキャラクターや戦い方、コーチ陣との関係性を見られるのがTUFの面白さだ。
特に今シーズンは、日本のファンにもなじみのある軽量級が舞台になっている。
第1・2話だけでも、メリッサ・アマヤの一本勝ち、クリスチャン・ストロングのレスリング、ショーン・モラとイリムベクの因縁など、今後の展開につながりそうな要素が多い。
UFC契約を勝ち取る選手が誰になるのかを追ううえでも、序盤から見ておきたい内容だ。
第1・2話の時点で主導権を握ったのは、Team Cormierだった。
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